商品番号:256190
- 発行国:
- ローマ共和政
- 造幣都市:
- ローマ
- 発行年:
- BC80
- 額 面:
- デナリウス
- 金 性:
- AR(Silver)
- 表図柄:
- ジュノー女神
- 裏図柄:
- ジュノー女神立像
- サイズ:
- 20mm
- 重 量:
- 3.88g
- 資 料:
- RSC Procilia 2
- 状 態:
- VF+ toned
紀元前1世紀、共和政時代の古代ローマで発行されたデナリウス銀貨。縁の部分に付けられている無数の切り込みは「Serratus (セラトゥス)」と呼ばれ、ラテン語で「ギザ」を意味します。この切り込みは削り取りなどの変造、またはメッキによる偽造を防止するために付けられたと考えられています。
表面にはジュノー(ユノー)女神の横顔像が表現されています。頭部には牡山羊の毛皮を被った特異な姿です。左側には「元老院決議」を意味する「S C」銘が配されています。
裏面にも同じく山羊の毛皮を被ったジュノー女神が表現されており、こちらはビガ(二頭立て戦車)を駆ける勇ましい姿です。盾と槍を構える女神の下部には、とぐろを巻いた蛇が確認できます。
ジュノーはギリシャ神話の「ヘラ」に相当する神々の女王であり、最高神ジュピター(ユーピテル)の正妻とされています。山羊の毛皮を被った独特の姿は「ユノー・ソスピタ (救済のジュノー)」と呼ばれ、古代ローマでは女性や子どもたちを守護、救済する女神の姿とされていました。
ジュノー女神像
ヴァチカン美術館所蔵。コインと同じく山羊の毛皮を被り、槍と盾を構えた姿。
ジュノーは最高位の女神であり、多くの女神達を従える姿で表現されてます。時には王笏を手にし、自らの聖鳥である「孔雀」を引き連れた堂々たる姿で表現されることもあります。こうした力強いジュノーの姿と権威は、社会的地位の低かった現実の古代ローマ社会の女性達にとって心強い味方でもありました。6月はジュノー女神の月とされ、英名の「June」は女神の名前に由来しています。この月に結婚式を挙げた花嫁はジュノー女神の加護を受けられるとして、現在にも続く「ジューンブライド(六月の花嫁)」伝説が生まれたのです。
天上のジュノー女神
豪華な御車に乗り、二羽の孔雀に引かせた姿。先導役を務めるのは月の女神ルナ。