この大型銅貨は、パラグアイ 対 ブラジル・アルゼンチン・ウルグアイ連合軍の戦い「三国同盟戦争(パラグアイ戦争)」の終戦直後に発行されました。戦後復興の一環として行われた通貨制度改革によって「1ペソ=100センテシモ」の十進法が採用され、このコインが新たに発行されました。国土を荒廃された大戦争後の混乱期に発行・流通した銅貨としては、奇跡的に良好な状態で残されています。

　1864年にパラグアイ軍がブラジル領へ侵攻したことで勃発した戦争は、パラグアイ一国に対してブラジル・アルゼンチン・ウルグアイが同盟を組織して対抗する大規模なものでした。内陸国のパラグアイが主な戦場となり、紆余曲折がありながら6年続きました。
　1870年3月、パラグアイの完全敗北によって集結したこの戦争は、パラグアイの人口の半分を喪失させ、領土は1/4を失うという破滅的な結果をもたらしました。特に戦争中は子供から老人までが国土防衛に動員され、成人男性の大半が戦死したことから、戦後の復興にも深刻な影響を与えました。現在に至るまで、周辺諸国と比べて発展が遅れている大きな要因であると云われています。