• ポルトガル王国 1783 4エスクード マリア1世&ペドロ3世
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 18世紀末のポルトガル王国にて発行された4エスクード金貨。当時の4エスクード金貨は、通称「ペカ金貨」と呼ばれ、ポルトガルにおいて最も高額面の貨幣でした。

 表面には、当時のポルトガル女王 マリア1世(在位:1777年~1816年)と、夫にして共同統治王 ペドロ3世(在位:1777年~1786年)の胸像が並んで表現されています

 この金貨が発行された3年後に夫のペドロ3世が崩御すると、マリア1世は単独の統治者となりましたが、この頃から精神状態が不安定となり始めました。やがて王子の死やフランス革命の勃発など、相次ぐ混乱から精神錯乱状態となり、政務を執り行うことが完全に不可能となりました。
 しかし、女王としての地位は保持され続け、ナポレオン軍による侵攻や王宮、政府のブラジル植民地移転の際もポルトガル女王であり続けたのです。その後はポルトガル本国に帰還することなく、81歳で遠くブラジルの地で崩御しました。

 金貨の表面には、在りし日の女王、国王夫妻が表現されています。薄手の金貨ですが、豪華な装飾に満ちた美しいデザインです。女王の髪型やドレスは、18世紀末のポルトガル宮廷で流行したスタイルと考えられます。裏面に表現された、ポルトガル王国の豪華な紋章、うろこ状になった縁(エッジ)など、金貨の価値をより高める効果があるようです。


 

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