マケドニア王国

大王は死の直前、「最強の者が帝国を継承せよ」と遺言したと云われています。
その後、忠臣たちの間でディアドゴイ(後継者)戦争が勃発し、大王が一代で築いた大帝国を分割していきます。

リシマコス(BC360年～BC281年)も大王の正統な後継者を自任した一人であり、主に小アジアとトラキアを支配しました。
リシマコスの王国は一代で滅びましたが、治世中、歴史に残るコインを作り出しました。

表面には巻角を有したアレキサンダー大王の肖像、裏面にはアテナ女神の坐像を表現したコインです。
裏面には発行者を示す「ΒΑΣΙΛΕΩΣ　ΛΥΣΙΜΑΧΟΥ(王たるリシマコス)」の刻銘があります。


巻角はエジプトの大神アモンの象徴であり、大王がエジプトで「アモン神の息子」という神託を受けたことを表しています。