• ヴィテリウス帝/コンコルディア女神
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 ネロ帝亡き後の混乱期、わずか1年ほどの間に三人もの人物が皇帝を宣言し、短期間その地位に就いた後に悲劇的な最期を遂げました。こうした皇帝達が短い在位期間中に発行したコインは、主に配下の兵士たちの忠誠心を繋ぎとめるために発行されたものでした。彼らは数ヶ月しか在位せず、その後は「反逆者」として殺害、廃位されたため、発行されたコインは現存するだけでも大変貴重です。


 ヴィテリウス(AD15年~AD69年)はもともとネロ帝に仕えていた側近の一人であり、同じくネロの友人だったオットーを廃して帝位に登りました。しかし軍事・政治に優れた才覚を持っていたわけではなく、反乱軍を率いてローマに入城した後は享楽に耽る生活を送ったと伝えられています。もともと巨漢で大食漢だったヴィテリウスは連日のように大宴会を開き、ローマ入城後の数ヶ月で9億セステルティウスを浪費したと云われます。

 AD69年6月末にローマ入城を果たしたわずか1ヵ月後には、名将軍ウェスパシアヌスが反旗を翻し、瞬く間にローマへ迫りました。ヴィテリウス帝は軍を向かわせるも、その軍が反乱軍に寝返るなどして一気に劣勢となります。12月にウェスパシアヌス軍がローマへ入城すると、宮殿に隠れていたヴィテリウスは引きずり出され、フォルムで責めを受けた上でテヴェレ川に投げ込まれました。

 ローマ滞在6ヶ月の間、ヴィテリウスは法令一つ出すことなく、皇帝としての業績は何も残せませんでした。
しかし彼が発行したコインは21世紀の現在まで残され、およそ2000年前の短い間の出来事を「歴史」として私たちに証明し、今日まで伝えているのです。

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                      ヴィテリウスの最期


 

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