• フィリップス1世/リベラリタス女神
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 3世紀半ば、軍人皇帝時代の古代ローマ帝国で発行されたアントニニアヌス銀貨。「アントニニアヌス」とはカラカラ帝の名「アントニヌス」に由来する名称であり、彼が発行を開始した新銀貨を意味する貨幣学上の呼称です。発行当時の名称や単位は不明ですが、デナリウス銀貨2枚の通用価値があるコインとして発行されました。しかしローマ帝国の正常が不安定化しインフレーションが加速すると、発行枚数の増大に伴い銀の重量と品位は低下していきました。


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 アントニニアヌスをはじめローマ時代の銀貨は壺などに入れられ、まとまって出土するケースが多くあります。当時の人々が蓄財用に埋蔵していたものとみられ、その後回収することができなかったものが後世に発見されます。出土したコインは泥土に汚れ酸化も激しいため、特殊な洗浄薬液に浸けて意匠を明らかにし、上のイメージ写真のように乾かして判別します。



 フィリップス1世(在位:AD244年~AD249年)は史上初のアラビア出身皇帝であり、通称「フィリップス・アラブス」とも呼ばれます。その治世中にローマ建国千年祭を盛大に催行したことで知られ、またキリスト教徒に対して寛容であったことから、後に「史上初のキリスト教徒皇帝」と伝承されました。
 肖像のフィリップス帝が戴く「太陽冠」はデナリウス銀貨の肖像の月桂冠に対応するものとされ、貨幣価値の違いを視覚的に示しているとされます。

 裏面に表現されているリベラリタスは「高潔」と「寛大さ」の精神を象徴する女神とされ、コイン上に表現される際は、皇帝の寛大さを宣伝し支持を獲得する目的があったとみられています。特に兵士たちに対しては、気前良く金銭を下賜する姿勢を示す意匠として効果を発揮しました。


 

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