神聖ローマ帝国に属したブラウンシュヴァイク＝ヴォルフェンビュッテル侯領は、現在のドイツ北部に位置した領邦である。この領邦で発行されたコインには「飛躍する馬」の他に、「山」「湖の白鳥」「野巨人」「田園風景」など、ユニークでバラエティに富んだモティーフが数多く見られる。遊び心に溢れた創造性と高度で微細な彫刻・造幣技術は、アンティークコイン収集家にも人気があり、特にドイツコインを専門的に集める収集家の間ではよく知られた領邦である。

　表面には当時のブラウンシュヴァイク＝ヴォルフェンビュッテル公　カール1世(在位：1735年～1780年)の胸像が打たれている。カール1世は経済や産業、教育の振興に功績のあった開明君主であった。また、オスマン=トルコ帝国とハプスブルクとの戦争にも従軍した軍人としての一面もある。