コインに表現されたモディウスは麦を貯蔵する樽のような器であり、古代ローマでは穀物の量を示す単位として記録に多く登場します。1モディウスは小麦6.55Kgに相当します。
コンモドゥス帝はグラディエーター(剣闘士)に憧れ、円形闘技場コロッセオでの剣闘士試合や猛獣狩りに自ら武器を取って登場し、その腕前をローマ市民に披露したと伝えられています。さらに「ローマのヘラクレス」を自称し、公式な国家行事にもヘラクレスの姿で登場しました。当時の彫像やメダル、コインにもヘラクレスとして表現されたコンモドゥス帝像が表現されています。
剣闘士として入場するコンモドゥス帝 (エドウィン・ブラッシュフィールド, 1878)
自身をヘラクレスと重ねる例はマケドニアのアレキサンダー大王(アレクサンドロス3世)や、後のローマ皇帝マクシミアヌスにもみられ、権威付けによる神格化や皇帝崇拝のひとつとして採り入れられました。
しかしコンモドゥス帝は個人的な思い入れに依るところが大きく、その他の奇行から誇大妄想の象徴のように記録されています。古代ローマを舞台にしたハリウッド映画『ローマ帝国の滅亡』(1964)や『グラディエーター』(2000)等でも精神的に倒錯した暴君、残虐な悪役として描かれ、そのイメージを再生産しています。