- アメリカ合衆国 1936 1/2ドル銀貨 スティーブン・フォスター
商品説明
この1/2ドル銀貨は名目上「シンシナティがアメリカ音楽の中心地となってから50周年」を記念して発行されましたが、その主題の根拠は曖昧であり、現在でも発行背景が疑わしいとされる記念コインです。
当時のアメリカでは1/2ドル記念銀貨の発行と収集が盛んであり、様々な主題のコインが発行されました。博覧会などの関連イベントに伴い、額面以上のプレミア価格で売り出せるため、利益を求める各団体が連邦議会議員を通じて発行の働きかけを行いました。
オハイオ州シンシナティの実業家トーマス・G・メリッシュ(1876-1948)はアメリカ貨幣協会に所属するコイン収集家でもあり、この記念コインの発行を発案しました。彼は連邦議会でのロビー活動を通じてシンシナティの記念コイン発行を実現させ、その販売権利によって利益を得たと云われています。(*フィラデルフィア、デンヴァー、サンフランシスコの造幣局が5,005枚ずつ製造し、ケース入り3枚セットにした状態で7ドル75セントで売り出された)
メインデザインとなるスティーブン・フォスター(1826-1864)はアメリカ史を代表する音楽家であり、彼は1846年から1853年までシンシナティに居住して作曲活動を行いました。しかし裏面に配された「1886」年銘はフォスターにもシンシナティにとっても特筆すべき事業はなく、発行した1936年から逆算しただけの意味の無い年号とみなされています。
本来の主題である記念事業よりも収益を目的に発行されたこの1/2ドル銀貨はアメリカ貨幣の歴史上、特に商業的・政治的背景の強い記念コインの一種とみなされています。