マウリキウス・ティベリウス(在位:582-602)は公証人、軍人を経て皇帝ティベリウス2世の義理の息子となり、帝位継承者となった。治世中はササン朝ペルシアから亡命したホスロー2世を保護し、復権を支援した見返りとして領土を得るなどの成果を上げた。
　しかし度重なる辺境での戦争と、軍備調達のために重税を課したため軍と民衆の不満が高まり、百人隊長フォカスによって反乱を起こされる。マウリキウスは帝位を追われ、息子達を目の前で処刑された後に自らも処刑された。

　その後、ササン朝のホスロー2世は恩人マウリキウスの敵討ちを大義名分としてビザンチン帝国領に侵攻、東方領土は主要地の大半が占領され、ササン朝の版図は史上最大となった。