イタリア半島北部の都市ティキヌム(*現在のパヴィーア)の造幣所で製造されたアントニニアヌス貨。皇后の肖像の両肩に配された突起は三日月とされ、2デナリウス=アントニニアヌスの貨幣価値を視覚的に示している。
ウルピア・セウェリナはアウレリアヌス帝の皇后。その名からダキアにルーツを持つ家系の出身と推測されている。アウレリアヌス帝との間には一人娘がいたとされるが名前は不詳。夫が275年に暗殺された後、次の皇帝タキトゥスが選出されるまでの期間に政務を代行していたという説もある。
皇妃ウルピア・セウェリナの肖像 15世紀にイタリアの画家・メダル彫刻家ピサネロによって描かれた素描。出土したコインを基に作成された。