ヘレナ(AD246-AD330)はコンスタンティヌス大帝の母であり、このコインが発行された当時は皇太后として権威を有していた。もともと旅館(または酒場)で働いていたところをコンスタンティウス1世に見初められ愛人となり、息子コンスタンティヌスを出産。後に息子が皇帝となりキリスト教に帰依すると、自らもキリスト教に改宗した。
　AD326年に聖地イェルサレムへ巡礼に赴いた際、キリストが磔刑に処された時に使用された釘と十字架を発見したと伝承される。また聖墳墓教会をはじめとする多くの教会を建立したことから聖女に認定され、キリスト教では聖ヘレナ(セントヘレナ)とも称される。