• ボスポロス王国 レスクポリス2世/エラガバルス帝
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 3世紀、黒海北部のボスポロス王国で発行されたスターテル貨。金と銀の自然合金 エレクトラムによって造られています。

 ボスポロス王国は現在のクリミア半島を中心に栄えたギリシャ系の王国であり、紀元前5世紀の半ば頃に成立したとされます。首都はクリミア半島東部のケルチ海峡に建設された植民都市 パンティカパイオンに置かれ、ギリシャ本土との交易によって繁栄しました。スキタイなどの北方~エーゲ海に至るルートの要衝を押さえ、穀物や工芸製品、奴隷まで幅広い商品が取引され、王国の富と繁栄を支えました。またこうしたコインは交易の過程で国外にも流出し、貴重な取引品の一つでもありました。


 紀元前1世紀には黒海に進出したローマに従属し、その保護下に入ることで王国の存続を図りました。ローマの属国となった後に発行されたコインには、表面には現地の王、裏面に宗主であるローマ皇帝の肖像が表現されました。皇帝が代わる度にその肖像も変わり、ローマから遠く離れた辺境の地にまで情報が伝わっていたことが分かります。


 

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