銀貨の表面には、カラカラ帝の若き日の横顔が刻まれています。現在も残る巨大なカラカラ浴場などを建設した他、通貨を改良して新しい銀貨「アントニニアヌス銀貨」を発行するなど、当時の文化や経済、社会に大きな影響を与えました。また軍事に関しても様々な取り組みをしており、兵士の給料を上げて軍の支持を取り付けました。また212年には「アントニヌス勅令」よって、帝国の全自由民に市民権を与えたことでも知られます。功罪合わせ持ち、歴代ローマ皇帝の中でもよく知られた皇帝です。

　裏面にはサルース女神の立像が表現されています。サルースは健康と衛生の守護女神であり、ローマ帝国の国家安寧を象徴しています。跪く人物はローマ市民、またはカラカラ帝自身とも捉えられます。