• オタキラ・セウェラ妃/コンコルディア女神
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 3世紀半ばの古代ローマ帝国で発行されたアントニニアヌス銀貨。フィリップス1世(フィリップス・アラブス)の治世下、ローマ市内の造幣所で造られました。

 アントニニアヌス銀貨はカラカラ帝による通貨改革によって初めて発行され、名目上はデナリウス銀貨2枚分の価値があるとされていました。「アントニニアヌス」とは後世の貨幣学上の通称であり、カラカラ帝の本名「アントニヌス」から名付けられました。そのため、この当時何と呼ばれていたかは分かっていません。

 デナリウス銀貨より重く、直径が明らかに大きくなっている点、また皇帝肖像が月桂冠ではなく、太陽を表現した「光の冠」と呼ばれる独特な冠を戴いている点が特徴です。一方で、このオタキラ・セウェラ妃の胸像では両肩の部分に「三日月」が配されています。古代ローマでは皇帝を太陽に見立てた場合、皇妃を月に対比して表現していました。
 当時のローマの慣習が、コインのデザインにもそのまま反映されています。

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 アントニニアヌスをはじめローマ時代の銀貨は壺などに入れられ、まとまって出土するケースが多くあります。当時の人々が蓄財用に埋蔵していたものとみられ、その後回収することができなかったものが後世に発見されます。出土したコインは泥土に汚れ酸化も激しいため、特殊な洗浄薬液に浸けて意匠を明らかにし、上のイメージ写真のように乾かして判別します。



 オタキラ・セウェラ(またはオタキリア・セウェラ)は皇帝フィリップス1世の皇妃であり、副帝フィリップス2世の母親です。夫フィリップス1世の治世下では「ローマ建国千年祭」が挙行され、一時的な栄華を謳歌しました。後に夫と息子が軍の離反によって暗殺された後は、当時のローマ上流階級の女性には珍しく、正式な離婚をせず再婚もしなかったと記録されています。その後の彼女の消息については記録が無く、「元ローマ皇妃」としてどのような生涯を送ったのかは謎に包まれています。


 

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