• 古代ローマ帝国 シリカ銀貨 ユリアヌス 19世紀英国出土品
234327_01new.jpg
  • 価格:0円(税込)

商品説明

▼ 商品説明の続きを見る ▼

注文

在庫 ×

お気に入りに追加済

 1887年、イギリス西部サマセット州のイーストハープツリー村近郊から、瓶に納められた1496枚もの銀貨と5つの銀塊、紅玉髄のインタリオが付けられた銀製の指輪が出土しました。これらは4世紀のローマ時代に造られたものであり、当時としても大規模な発見でした。イーストハープツリー村は古代ローマ人が建設した都市 バースの南西に位置し同都市とも近かったことから、当時の富裕なローマ人が埋蔵して隠した財産の一部とみられます。

 発見されたコイン群はコンスタンティヌス大帝~グラティアヌス帝までの多くの皇帝たちの治世に発行され、ブリタニアやガリア、ゲルマニアなどローマ帝国西方の各都市で造られたものが確認されています。これらコインから、瓶は4世紀末~5世紀初頭にかけて埋蔵されたと推察されます。

 出土地の地主だったウィリアム・ケトルウェル氏はそれらをロンドンの大英博物館に持ち込み、出土品の鑑定を依頼しました。この発見は大英博物館の古代ローマ研究者、貨幣研究者たちにとって有益なものであり、翌1888年にはジョン・エヴァンズ氏によって発行された研究資料『The Numismatic Chronicle』でも大ページを割いて取り上げられました。

※ジョン・エヴァンズ(Sir John Evans, 1823-1908)はヴィクトリア朝期のイギリスを代表する考古学者の一人。
製紙会社経営の一方でロンドン地質学会や骨董品協会の会長などを歴任した。古銭の収集家・研究家としても知られ、著書には『古代ブリトンのコイン』(1864年)などがある。息子はクレタ島のクノッソス遺跡発掘で知られる考古学者アーサー・エヴァンズ。


 しかし大英博物館は膨大な出土品の内、興味深いサンプルと判断した25枚のコインを収蔵すると、残りの大部分をウィリアム・ケトルウェル氏に返還しました。その後、銀貨が入れられていた瓶と出土品の一部は、ウィリアム・ケトルウェル氏の息子ケトルウェル大佐によって地元の教会に寄付されました。村の教会はそれらを訪問者のために展示していましたが、やがて盗難に遭い離散してしまいました。しかしそれ以外の大部分は残され、後にそれらの保管を委託されていた人物の父親が引き継ぎました。2016年9月、英国の老舗古銭商SPINKは1200枚近い出土品をオークションにかけ、世界中のコイン商、収集家、研究家たちの注目を集めました。

 このシリカ銀貨は、イーストハープツリー村近郊から出土した瓶に入っていた一枚です。1887年の出土品の特徴として、4世紀に発行された銀貨としては非常に保存状態が良く、この時代のものとしては大変顕著な状態であることが挙げられます。

 130年前に発見された由来あるコインであることから、キャビネットで大切に保管されていた時のトーンが美しくかかっています。

【IRBCH 1424】


 

価格:0円(税込)