• クリスピナ妃/サルース女神
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 2世紀、コンモドゥス帝治世下の古代ローマ帝国で発行されたセステルティウス貨。表面にはコンモドゥス帝の皇妃 クリスピナの胸像が打ち出されています。その姿は細面で、華奢な美しい女性として表現されています。美しさと気品溢れる上品さは当時から有名であり、粗暴なコンモドゥスとは結婚当初から性格が合わなかったとされています。このコインが造られた直後の時期にクリスピナ妃はコンモドゥス帝から反逆の嫌疑をかけられ、カプリ島に追放され当地で亡くなりました。


 大型のコインであるセステルティウスは、当時のローマ市民にとって身近なコインの一つでした。日常の買物や各種支払いに用いられ、様々な物品の値段を記した古文書にも会計単位として登場します。1世紀~2世紀頃のセステルティウスは、おおよそワイン1リットルの価格に相当し、ローマ人の生活に欠かせないコインでした。1/4デナリウス、アス銅貨では4枚の価値に相当したセステルティウス貨は「アウリカルクム(※古代ギリシャの文献に登場する幻の金属 オリハルコンに由来)」と呼ばれる真鍮(黄銅)によって造られており、製造時は鈍い金色をしていました。


 

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