アントニオ・ホセ・デ・スクレ(1795年～1830年)はラテン・アメリカ諸国独立に尽力した政治家・軍人である。　シモン・ボリバルと共にコロンビア、エクアドル、ペルー、ボリビアなどをスペインの植民地支配から解放した英雄として各国で崇敬されている。エクアドルの貨幣単位「スクレ」は、この独立の功労者の名に由来している。

　スクレの印象的な肖像が表現されたエクアドルの5スクレ銀貨は、メキシコ合衆国の首都メキシコシティの造幣局で造られた。エクアドルのコインは歴史的にメキシコやペルー、アメリカ等　周辺諸国の造幣局に委託していた。
　現在のエクアドルでは、インフレの進行によって独自通貨のスクレを流通停止とし、代わってアメリカドルを法貨とする措置が採られている。コインのみは独自で発行しているが、紙幣はアメリカドル紙幣が国内で流通している。