ウィクトリアトゥスは紀元前3世紀末のごく短い期間のみ製造・発行されていた小型銀貨であり、裏面の勝利の女神ウィクトリアから名付けられました。トロフィーに月桂冠を捧げる勝利の女神の姿は、第二次ポエニ戦争でハンニバル率いるカルタゴ軍と戦っていた時代の反映と考えられています。
　周辺のギリシャ系植民都市が発行していたドラクマ銀貨と等価で造られていましたが、紀元前206年にローマ独自の貨幣、「デナリウス銀貨」が導入されると徐々に流通市場から姿を消してゆきました。