ローマと覇権を争った古代国家
カルタゴ。この国で最も有名な人物は、ポエニ戦争で活躍した将軍
ハンニバル・バルカ(BC247年~BC183年)です。戦術に長けた名将と讃えられ、敵軍ローマからも尊敬と畏怖を集めた軍人であり、世界史上特に有名な人物の一人です。
そのハンニバルを表現しているといわれるコインがこの銀貨です。このコインはカルタゴの植民都市カルタゴ・ノヴァで造られたものであり、ハンニバル一族が入植を指揮したヒスパニア(現在のスペイン)で流通しました。ヒスパニアはローマとのポエニ戦争中、ハンニバル軍の重要な拠点となり、イタリア本土への侵攻路にもなった地です。
コイン表面には若きハンニバルとされる青年像、裏面にはカルタゴ軍の主要な戦力であった馬が表現されています。この青年像は古くからハンニバル本人ではないかと云われており、ヨーロッパでは知る人ぞ知る古代コインでした。
現在の日本の高校世界史資料集でも、このコインを「ハンニバルのコイン」として紹介しているものもあります。
世界史上でも特に貴重なコインの一つです。
ハンニバル・バルカ (チュニジアの旧5ディナール紙幣の肖像より)