• 牧神パン/弓矢
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 紀元前4世紀のクリミア半島で造られた銅貨。コインが造られた都市パンティカパイオンは、キンメリオス・ボスポロス海峡(現在のクリミア半島東部 ケルチ海峡)に建設されたミレトス人の植民都市でした。紀元前5世紀半ばに建国された、黒海沿岸諸都市と諸部族から成る連合国家「ボスポロス王国」の都として栄えました。

 コインの表面には牧神パンの横顔肖像が打ち出されています。長髪と髭に覆われたパンの頭部には、葡萄の蔦で編まれたリースが巻かれています。その目は大きく、鼻も丸い、野性味溢れる造型です。ギリシャ神話に登場するパンは森深くに住まい、ニンフ(妖精)と共に自然界の精霊の一種と捉えられて来ました。

 裏面には弓矢が表現されています。下部には発行都市パンティカパイオンの「パンティ」を示す「ΠΑΝΤΙ」の銘が刻まれています。


 

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