• アントニヌス・ピウス帝/マルクス・アウレリウス
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 アントニヌス・ピウス帝の治世に発行されたデュポンディウス貨。当時のデュポンディウス貨はアス貨2枚の価値に相当するとされ、一般市民が日常で使用していた、馴染み深いコインの一つでした。尚、表面のアントニヌス・ピウス帝が被っている冠は「光の冠」と呼ばれ、デュポンディウス貨や後のアントニニアヌス貨など、「2」の単位のコインに刻まれた特徴的な冠です。

 表面にはアントニヌス・ピウス帝(在位:AD138年~AD161年)の胸像が表現されています。面長な顔つきと特徴的な垂れ眉が打ち出されています。

 裏面にはアントニヌス・ピウス帝の後継者であり、当時は副帝であった若きマルクス・アウレリウスが表現されています。少年時代から哲学を愛し、清廉に努めるマルクス・アウレリウスは、晩年のハドリアヌス帝から目をかけられ、老練な人格者であるアントニヌス・ピウスを後継帝にし、マルクスをその後の皇帝にするよう定めました。人徳高いアントニヌス・ピウス帝と清廉なマルクス・アウレリウス帝は、共に「五賢帝」として歴史にその名を残しています。

 尚、コインに刻まれたマルクス・アウレリウスの下部には、「S C」の銘が刻まれています。この銘は「元老院決議」を示す略銘であり、当時の銅貨の発行権はローマ元老院にあったことを示しています。


 

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