商品番号:287637
- 発行国:
- ローマ帝国政
- 造幣都市:
- ローマ
- 発行年:
- AD249
- 額 面:
- アントニニアヌス
- 金 性:
- AR(Silver)
- 表図柄:
- フィリップス・アラブス帝
- 裏図柄:
- フォルトゥーナ女神坐像
- サイズ:
- 23mm×21mm
- 重 量:
- 3.94g
- 資 料:
- RC8933/RSC65/RIC63b
- 状 態:
- VF+
3世紀半ば、軍人皇帝時代の古代ローマ帝国で発行されたアントニニアヌス銀貨。「アントニニアヌス」とはカラカラ帝の名「アントニヌス」に由来する名称であり、彼が発行を開始した新銀貨を意味する貨幣学上の呼称です。発行当時の名称や単位は不明ですが、デナリウス銀貨2枚の通用価値があるコインとして発行されました。しかしローマ帝国の正常が不安定化しインフレーションが加速すると、発行枚数の増大に伴い銀の重量と品位は低下していきました。
アントニニアヌスをはじめローマ時代の銀貨は壺などに入れられ、まとまって出土するケースが多くあります。当時の人々が蓄財用に埋蔵していたものとみられ、その後回収することができなかったものが後世に発見されます。出土したコインは泥土に汚れ酸化も激しいため、特殊な洗浄薬液に浸けて意匠を明らかにし、上のイメージ写真のように乾かして判別します。
フィリップス1世(在位:AD244年~AD249年)は史上初のアラビア出身皇帝であり、通称「フィリップス・アラブス」とも呼ばれます。その治世中にローマ建国千年祭を盛大に催行したことで知られ、またキリスト教徒に対して寛容であったことから、後に「史上初のキリスト教徒皇帝」と伝承されました。
肖像のフィリップス帝が戴く「太陽冠」はデナリウス銀貨の肖像の月桂冠に対応するものとされ、貨幣価値の違いを視覚的に示しているとされます。