
商品番号:268902
- 発行国:
- ローマ帝国政
- 造幣都市:
- ローマ
- 発行年:
- AD248
- 額 面:
- アントニニアヌス
- 金 性:
- AR(Silver)
- 表図柄:
- フィリップス1世(フィリップス・アラブス)
- 裏図柄:
- トランクィリタス女神立像
- サイズ:
- 21.5mm
- 重 量:
- 4.44g
- 資 料:
- RSC223/RIC IV 9
- 状 態:
- VF+ toned
3世紀半ばの古代ローマ帝国で発行されたアントニニアヌス銀貨。フィリップス1世(フィリップス・アラブス)の治世下、ローマ市内の造幣所で造られました。
アントニニアヌス銀貨はカラカラ帝による通貨改革によって初めて発行され、名目上はデナリウス銀貨2枚分の価値があるとされていました。「アントニニアヌス」とは後世の貨幣学上の通称であり、カラカラ帝の本名「アントニヌス」から名付けられました。そのため、この当時何と呼ばれていたかは分かっていません。
デナリウス銀貨より重く、直径が明らかに大きくなっている点、また皇帝肖像が月桂冠ではなく、太陽を表現した「光の冠」と呼ばれる独特な冠を戴いている点が特徴です。一方で、このオタキラ・セウェラ妃の胸像では両肩の部分に「三日月」が配されています。古代ローマでは皇帝を太陽に見立てた場合、皇妃を月に対比して表現していました。
当時のローマの慣習が、コインのデザインにもそのまま反映されています。
アントニニアヌスをはじめローマ時代の銀貨は壺などに入れられ、まとまって出土するケースが多くあります。当時の人々が蓄財用に埋蔵していたものとみられ、その後回収することができなかったものが後世に発見されます。出土したコインは泥土に汚れ酸化も激しいため、特殊な洗浄薬液に浸けて意匠を明らかにし、上のイメージ写真のように乾かして判別します。
フィリップス1世(在位:AD244-AD249)はアラビア出身のローマ皇帝とされ、「フィリップス・アラブス」の異名でも知られました。また彼の治世は、伝説上の建国者ロムルスがローマを建国してから1000年の節目に当たり、国家的大行事として『ローマ建国千年祭』が盛大に催されました。