
商品番号:265192
- 発行国:
- チュニジア
- 製 造:
- フランクリンミント社
- 発行年:
- 1969
- 額 面:
- 1ディナール
- 金 性:
- Silver925
- 造幣数:
- 15,000枚
- 表図柄:
- エル・ジェムの円形闘技場
- 裏図柄:
- ハビブ・ブルギバ
- サイズ:
- 40mm
- 重 量:
- 20g
- 資 料:
- KM300
- 状 態:
- Proof
エル・ジェムはローマ帝国時代、アフリカ属州における重要な交易都市として栄え、内陸のオリーヴを輸出することで富を蓄えた都市です。3世紀中頃に巨大な円形闘技場が建設され、多くの剣闘士試合や見世物、戦馬車競争が催されました。この巨大円形闘技場は、最大35,000人の収容が可能であったと考えられています。
ローマ帝国の栄光が過ぎ去り、エル・ジェムの繁栄に陰りが見えた後も、この円形闘技場は北アフリカの平原の中に聳え立ち続けました。アラブ人が侵攻した際には現地のベルベル人が立てこもり、オスマン=トルコ帝国が侵攻した際にはアラブ人が篭城戦に使用しました。第二次世界大戦の最中には、ナチス・ドイツ軍に爆弾を投下されたこともあり、悠久の歴史の中で様々なドラマがこの円形闘技場で繰り広げられました。
現在、エル・ジェムは平原の中にポツンとある、静かな地方都市になっていますが、その中心には、後世に建てられたどの建造物よりも高い円形闘技場が変わらず聳え立っています。幾多の戦火にさらされながらも、その保存状態は非常に良く、猛獣を入れていた地下の檻や、動物の餌入れまで残されています。20世紀半ばになり、チュニジア共和国が独立した後は、UNESCOによってローマのコロッセオよりも保存状態が良いと評価され、世界文化遺産に登録されました。現在、エル・ジェムの円形闘技場はチュニジア観光の大きな目玉となっています。