商品番号:254851
- 発行国:
- ローマ帝国政
- 造幣都市:
- ローマ
- 発行年:
- AD193-AD196
- 額 面:
- セステルティウス
- 金 性:
- AE
- 表図柄:
- ユリア・ドムナ妃
- 裏図柄:
- ヴィーナス女神立像
- サイズ:
- 28.5mm
- 重 量:
- 17.24g
- 資 料:
- RIC IV 842 (Septimius)
- 状 態:
- VF-
2世紀末、セプティミウス・セウェルス帝治世下のローマ帝国で発行されたセステルティウス貨。表面にはシリア出身の皇妃ユリア・ドムナの横顔肖像、裏面には美と愛の女神ヴィーナス(ウェヌス)が表現されています。衣を臀部まではだけさせた女神は柱に肘を置き、右手で黄金のリンゴを掲げています。当時の彫刻像などに見られる、典型的な表現様式です。
1世紀~2世紀頃のセステルティウスはおよそワイン1リットルの価格に相当し、ローマ人の生活に欠かせないコインでした。1/4デナリウス、アス銅貨では4枚の価値に相当したセステルティウス貨は「アウリカルクム(※古代ギリシャの文献に登場する幻の金属 オリハルコンに由来)」と呼ばれる真鍮(黄銅)によって造られており、製造時は鈍い金色をしていました。長い年月を経て現存しているものは、その大半が変色し、黒っぽい緑色をしている例が多く見受けられます。また日常的に頻繁に使用されたコインであるため、保存状態が良く残されているものは希少であり、時には銀貨よりも高い評価を受けて取引されます。
通常、古代のコインは壺などに入った状態でまとまって出土します。その多くは当時の人々が貯蔵していたものですが、一般的には価値の高い金貨や銀貨が蓄財されていました。一般的に広く流通していたセステルティウスは日常生活で使用されるため、あまり蓄財されず、また材質の問題から美しい状態で出土することは稀です。